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星のかりゅうど

何いきなりキザなこと言ってんの?
いやいや、これはある本のタイトルなんです。
僕は小学生の頃から星が好きで、
安い反射式望遠鏡を買ってもらって
(メーカー名エイコー。もちろん赤道儀など付いていない)
それを背負って近くの山に登って写真撮って来たりとかやってました。
当時はボイジャーが太陽系内にいたので、例えば「木星にも輪があった」とか
新聞にも結構天文関係のニュースが多く載ってましたし、
八神純子の「Mr.ブルー~私の地球~」を主題歌にした
「パノラマ太陽系」なんていうドンピシャな番組が
NHKで放送されたりしてたので食い入るように見てましたね。
また「天文ガイド」という、
凡そ子供じゃ理解できないような月刊誌を購読したり
学校の図書室にある天文関係の本も随分と読みあさったもんです。
その中の一冊が今回のタイトル「星のかりゅうど」です。
著者は関つとむさんといって、アマチュア天文家の方でした。
関さんはとりわけ彗星が専門分野で、自宅の物干し台に自作の望遠鏡を設置し
毎朝新しい彗星を探すという活動をされていたんです。
・・・言ってる意味がわからない?そうですか、では解説しましょう。
(あ、でもしばらく天文から離れてたんで、情報古いかも)

彗星って言うと「赤い」とか「3倍速い」とか言いたくなりますが(僕だけかw)
実のところ、その正体は氷とかチリとかの塊で
イメージとしては雪だるまみたいなものらしいです。
それが太陽系の周辺にあってですね、何かのきっかけで太陽の引力に引かれて
どんどん太陽に向かって進んでいくんですね。
そのとき太陽風に吹かれるような形で「しっぽ」が発生し、
一般的に写真や絵に描かれる彗星(ほうき星)の形になります。
そして、太陽に最接近した後、太陽をぐるっと回って
再び太陽系の外側に向かっていくのですが、
中には太陽の引力に捕らえられて
楕円形の軌道で惑星のように太陽の周りを周期的に回るようになるものもあります。
有名なところでは・・・やっぱりハレー彗星ですかね。
これは太陽の周りを76年かけて回っています。(前回の最接近は1986年)
関さんは、まだ誰にも発見されていない彗星を見つけるために
毎朝明け方の空を望遠鏡で探索します。
もちろん簡単に見つけられるものではありません。
一生やったって、ましてアマチュアじゃあ、
新彗星を見つけられるなんてまずありえないんじゃないかな。
でも、発見して世界中の誰よりも最初に報告すると
その人の名前が付くんですよ。
前出のハレー彗星もハレーさんが発見したからそういう名前になっています。
で、
関さんは、実は大きな彗星を発見しているんです。
イケヤ・セキ彗星っていう・・・
イケヤさんと関さんがほぼ同時に発見したということで2人の名前がついています。
日本人2人の名前がついているってのもすごいですが
この彗星、太陽の周りを回る周期を計算したところ、なんとおよそ1000年!
1000年振りに太陽に近づいてきた彗星を発見したってことなんですよ。
前回の最接近時は日本は平安時代ですからね。
超~ロマンじゃないですか。
というわけで「星のかりゅうど」は、関さんの観察日記のような内容ですが
当時の僕は大変ハマってしまい、
図書室から何十回借りたかわからないくらい読みました。
自宅に観測台(物干し台だけど)があって、自作の望遠鏡で毎日星を見る生活・・・。
あこがれました。
この本がきっかけで将来は天文台で働きたいと本気で思ってたんですけど
結局理科は好きでも数学ができなかったもんで(笑)
理系に進めず断念しちゃいました。
まあ天文やってたら音楽はやってなかったと思いますがね・・・。

最近、野口聡一さんが宇宙ステーションに行ったニュースを見たり、
マイミクになったMakkyさんの天体写真を見たりして、
ちょっと天文熱が再燃してきた気がします。
とはいえ難しいことは考えなくたって、星空を眺めるだけでも十分楽しい。
小学生の頃の気持ちがよみがえってきます。
特に冬の星座は明るい星が多くて形も分かりやすいし、
空気が乾燥しているのできれいに見えますから、今の時期はお勧めなんですよ。
大人になると星を見るなんていう行為自体忘れてしまいますが
たまには夜空を見上げる心の余裕がほしいものです。
by CHDproduction | 2009-12-25 01:27 | from Ordinary Days