ミルキィ・スマイルってどんなスマイル?

だいぶ過ごしやすくなってきました。
先月はあんなに暑かったのに、やっぱりちゃんと秋になるもんですね。
この時期になると聴きたくなるのは聖子ちゃんの「風は秋色」。
いや、何年か前にも似たようなこと書いたし、秋に限らず普段から聴いてるんだけどさ(笑)
季節とマッチすると更にいい感じなんですよ。
遠野市内を運転しながらあんべ光俊の「遠野物語」を聴くようなもんです(←ちょっと違う?)
今日はその「風は秋色」で長々と書いてみようと思います。

「風は秋色」、聖子ちゃんの3rdシングル、もう31年前の曲です。
B面はレッツヤンオリジナルにもなった「EIGHTEEN」。
前作「青い珊瑚礁」で大ブレイクしたので、次のシングルは結構重要ですよね。
同じ路線で行くのか、がらっと変えてくるのか・・・うん、同じ路線でしたね。
キャッチーでパーンと盛り上がるサビ始まりで、Aメロ-Bメロは押さえ気味、再びサビで弾ける、と。
(個人的にこういうサビ始まりの曲構成を「青い珊瑚礁構成」と勝手に呼んでいます)
意地悪な言い方をすれば"二匹目のドジョウ"って感じでしょうかね。
しかし、この曲のクオリティって、その一匹目を超えてると思うんですよね。
歌詞も前作より具体的になってますし、曲自体にもドラマがあるっていうか。
歌い方も・・・こういう言い方は失礼なんだけど・・・明らかに上手くなってる。
前作はひたすら一生懸命な感じだったんですけど、ちょっと余裕が出てきたというか
細かい技がいろんなところに散りばめられていて、
基本失恋ソングなんだけどキラキラしてるんだよね。
だけどちょっとばかしファンキーな感じもするでしょう。
理由は、ベースがサビでは音価短めのオクターブ弾きしてることが挙げられます。
ややスタッカート気味の8分音符をルートとその1オクターブ上の音を
交互に弾く(←文で書くと結構マヌケな感じwww)ラインね。
加えて奇数の8分音符の音価が偶数のそれより微妙に長いのでよりファンキーに感じるのです。
曲全体を通しても結構気が抜けないベースラインなんですよ。
でも難しいことはしてないし、メロディの邪魔はしてないし、すごく好きなアプローチの仕方です。

それまで日本のヒット曲は洋楽からいろいろ影響を受けてきたと思うんですけど
この頃からそれが上手く消化され始めた、というか、
アレンジに上手いこと乗せられるようになってきたんじゃないかなと思うんです。
それまでの"歌謡曲"とは異なる"ポップス"というジャンルが現れ始めた時期なのかな。
だからこのあたりからの曲って(歌詞の内容はともかく)今聴いてもそんなに古くないでしょ。
70年代の曲の野暮ったさ・いなたい感じみたいなものが取れていってるんです。

最後のサビ繰り返しで2拍3連(正確には2拍3連ではないけど)のキメの後、転調。
以降の部分は本当にヤバいです(笑)聖子ちゃんのいいところがいっぱい出てるのね。
この部分だけ分析してみます。着目してほしいところを書き出します。

「La La La La La Oh,ミルキィ・スマイル あなたの腕の中で旅をする
 Oh,ミルキィ・スマイル 抱きしめて やわらかな その愛で」
1行目
・「La La La La La」は曲の冒頭と同じ歌詞だが、感情の入れ方がまるで違う
・最後の「La」と「Oh」のつながり方(いったん口を閉じる)
・「Oh」の発声の仕方(超萌えだが技術的には高難度)
・「スマイル」の「マイル」のビブラートの速度(他のサビよりちょっと遅くしてる)
・「旅をする」は極端に言うと「旅をすろう」に近い.("ろ"で伸ばして最後に"う"に落とす)
・その最後の"う"でひっくり返し(この部分は他のサビ部分でも必ずひっくり返してる)
2行目
・「Oh」は速度の遅いやや角張ったしゃくりあげ
・「ミルキィ・スマイル」の「ミ」の発音("メ"に近い)
・「スマイル」と「抱きしめて」の「ル」と「だ」のつながり方(「ル」が他のサビより長い)
・「やわらかな」の「か」の発音(王道の"崩し")

(1)「旅をする」を「旅をすろう」にしたり、(2)「ミルキィ・スマイル」を「メルキィ・スマイル」にしたり
というのは、
(1)の場合は"す"から"る"へ、(2)の場合はその前の単語から"ミ"へあっさり移行しないということです。
歌い方の技法で「しゃくりあげ」ってありますけど、アイドルだと
しゃくっても本来の音程(ピッチ)に到達できてない(要するにフラットしてる)場合が多々あるんです。
これってシンガーとしてはNGなんでしょうけど、アイドルとしては結構効果があって、
一生懸命歌ってる感じが前面に出て来るんですよ。
(1)と(2)はこれと同じような効果を「音程」ではなく「言葉」で実践されているというわけです。
あっさりと次の文字を発音してしまうより、なかなかたどり着かない方が
たどたどしさが見えますし、そこから健気さも見えます。
ぶりっこ系アイドルの一番推したい部分ですよね。
聴いてるほうも「がんばれ、がんばれ」的な気持ちが湧いてくるてなもんです。
こういうのって、相当な歌唱力とかなりの訓練がないとできないと思うんですよね。
まあ聖子ちゃん本人や楽曲に携わった方々にきいたわけじゃないから、
あくまでも僕が勝手に言ってるだけの分析なんですけど。
では、オリジナル(レコード)の音源をどうぞ。(このジャケット写真もいいよねえ)
http://www.youtube.com/watch?v=CQ0J6Bw3FAY

とは言え、この映像見たらどーでもよくなるよね。ただひたすらかわいすぎ(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=xdC9juS6Aeo

ということで、大体いつもこんな感じでアイドルものを聴いています。
こうすると
自分がなぜこの曲に魅かれるのか、自分に響いてる要素が何なのかが見えてくるでしょ。
って、誰かに言ったら「気持ち悪い」って言われました\(^o^)/
いいんです。オタクなんてそんなもんだもん。
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Commented by Sumi at 2011-09-08 16:23 x
素晴らしい分析力です・・・何度も聴き直してしまいました(笑)
なぜか2nd~5thは常に車に積んであったりします
リアルタイムではそんなに聴いてなかったんですけどね
Commented by asca at 2011-09-09 02:30 x
初コメ失礼致しますwww

どうしよう、、、またハードルが上がっちゃいました(苦笑)

前回のライブで、僭越ながら青い珊瑚礁を歌わせて頂いた際に、初めてちゃんとした形で、当時の聖子さんの歌と映像を拝見したのですが、物凄い歌唱力と技術力を持ってる方だなぁー、、、と本当にびっくりしました。
天性のものなのかコントロールしてのものなのかは私には分かりませんが、良い意味で凄く緻密で計算されている歌い方だなぁーと思いました。
凄く丁寧、と言うべきでしょうか???

でもそんな事よりも、
取り敢えずめちゃくちゃ可愛かったです!!!笑
間奏での笑顔、、、何度見ても悶えてしまいましたwww

初コメなのに何かこんな感じで申し訳御座いませんm(_ _;)m
Commented by CHDproduction at 2011-09-09 07:34
>Sumiさん
バックがあのメンツですから、聴くだけでもかなり勉強になります。
エアチェックしたカセットテープを擦り切れるほど聴いといて良かったと思います。
あ、僕もリアルタイムではほとんどシングル曲しか聴いてないです。
小学生だったのでレコード買うお金がなかったの(笑)
Commented by CHDproduction at 2011-09-09 07:50
>asca
ご謙遜されてますが、あなたが歌った「青い珊瑚礁」は
今までカバーしてきた誰よりも素晴らしかったよ。
よくぞあそこまで再現したもんです。
かといって単なるモノマネではなかったし。
聖子ちゃんはやはりアイドルであることを前面に出してきたので
シンガーとして評価されることがあまり無かったんだよね。
でも"アイドル松田聖子"を表現するために超高難度な技術をこれでもかというくらい駆使しています。
シンガーを志す人なら聴かない手はないと思います。
楽曲、アレンジ、演奏全てにおいてもレベルの高さはハンパじゃないですし。
まあしかし…恐ろしくかわいいよね…。
YouTubeありがとうって感じ(笑)
Commented by じゅにゃ at 2011-09-17 23:23 x
遠野物語…知っている方はかなり少なそうです。
あ…ご本人さんとカラオケでデュエットしたことがあります。
Commented by CHDproduction at 2011-09-20 12:33
>じゅにゃ
知ってる人全然いないよ(笑)
なので俺のまわりでは、この曲と「時代遅れの恋人達」は俺の持ち歌なのだ(笑)
by CHDproduction | 2011-09-08 01:37 | in the Music World | Comments(6)